コミュニケーション

  近頃、コミュニケーションのスピードが速すぎると感じる時がある。
  現代人は多忙ゆえに、仕方のないことかもしれない。 
  しかし、何とも気が休まらない。
  ここ数十年で、人々がどんどん「早口」になっている。
  そう指摘したのは、小説家の古井由吉氏。
  時間の流れが速くなり、結果 「聞くのも話すのも刹那的」
  最近の会話は「言葉に対して反応を繰り返しているだけ」
  と危惧した。

  相手の言葉に反応できているうちは、まだいい方だろう。
  最近、テレビの討論番組を見た。ある登壇者が相手の発言をさえぎり、持論をまくしたてていた。  まるで耳がふさがっているようだ。
  「言論嫌いは人間嫌い」
  に通ずる、とのソクラテスの警句を思い起こす。

  米ボストン近郊にある対話センターでは
  「ダイアログ・ナイト(対話の夕べ)」が好評だ。
  毎回あるテーマをもとに人々が輪になって語り合う。
  時には沈黙もある。その沈黙の奥にある、声にならない声まで
  耳を傾ける。そこまでして初めて、対話という「人間尊重の営み」
  は成り立つ。参加者の実感である。

  スピードが求められる現代社会。私達の対話は、心が響き合う
  安心の速度 を守りたい。

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2023年11月07日 Posted by ベルウィンド at 13:06 │ 師のことば 著作より


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